離職率34%→0%に!教育制度導入で驚異のビフォー&アフター!

社会福祉法人貞徳会は、愛知県内で特別養護老人ホーム、グループホーム、デイサービスセンターなどを展開する歴史ある法人です。かねてより質の高いケアでは高い評価を受けていましたが、そのせいか新人の離職が相次ぎ、一時的に離職率が34%になりました。入社時の教育方法に課題があると気づき、様々な取り組みに着手したところ、なんと翌年の離職率は0%に!超短期間での劇的な回復について、法人本部長の矢留仁道氏にお話しを伺いました。

社会福祉法人貞徳会 (愛知県名古屋市/愛西市)

法人本部長 矢留仁道氏

 

 

Q.スタコンに依頼しようと思ったきっかけを教えてください。

 

スタコンさんのセミナーに参加したのがきっかけでした。現場で起きている課題に対する解決策や、経営者として現場に自分の言葉を届ける方法など、自分がかねてから考えていたことをはっきりと言葉にされているのを聞いて、「自分と価値観が近い」と思い相談することにしました。

 

Q.離職率が激減した中で、私たちはどのような影響を与えられたのでしょうか?

サポートしていただいて一番良かったのは、課題を客観的に整理し、それらを職員と共有してくれたことです。言葉にすると簡単に聞こえますが、これは実は難しいことだと思います。事業を長らく経営していると、図らずも私たち経営陣と現場職員の視点がずれてしまうことがあります。そのせいで、経営者としての“想い”や“方針”が正しく伝わらないことが多くあります。意図せずに不満を引き起こすこともあります。そうしたギャップを踏まえた上で、私たち経営者の考えを「外部の人」としてわかりやすく整理して伝えてくださるので、とても説得力があり職員にも響きます。スタコンさんには教育制度の導入をはじめ、定着のためのサポートをしていただきました。職員参加型で行われたプロジェクトでは、職員の意識に大きな変化が見られました。それまでは、相談員は相談員として、介護士は介護士として、自分の立場からのみ法人や施設のことを考えがちでした。しかしプロジェクトを進めていく中で、彼らは経営的な視点を持つようになりました。それが結果的に、業務負担としては小さくない新人教育を推進する原動力となり、入社直後の離職を防止することができるようになったのだと思います。

 

Q.教育制度を導入したメリットは何でしょうか?

 

当初は、部署間でケア方法、業務方法が異なっていることが多かったのですが、教育制度をきっかけに、それらを統一化、単純化できたことで、指導者、新人双方の負担が軽減されました。また、ルールを明文化したことにより、指導者が指示を出しやすくなったと聞いています。新人が間違ったやり方をしていても、「自信を持って注意できない」という職員もいたのですが、そういった悩みも解消されつつあります。施設全体を見ても、教育の「仕組み」ができたことにより、一定の教育の質が担保されるようになったと感じています。全ての職員が「100点満点」というわけにはいきませんが、少なくとも全員が及第点を与えられるようになりました。これからは未経験者の方がもっと増えるので、この時期に仕組みづくりができてよかったと思います。

 

Q.毎年アドバンスコースにご参加されていますが、どのようなメリットを感じていますか?

 

介護の研修というと「事故防止」「認知症ケア」などの現場的なテーマのものはたくさんあります。経営を学ぼうとすると、数字の話に偏りすぎていたり、なかなか期待する内容のものがありません。その点「介護経営カレッジ」は、「経営全般」を学べますし、「現場運営」も扱います。バランスがとても良いと思います。これからは介護保険のルール内で、決められたことだけやっていても生き残れない時代です。経営カレッジの仲間は、新しい取り組みに前向きな人ばかりなので、いい刺激を受けています。新しいことを自法人でゼロから考えることはなかなか難しいですが、皆さんの「生の実践事例」を聞くことができるので、とてもいいヒントになります。同時に、自分たちも有益な情報を他の参加者に提供しなければなりませんから、毎回、レポートの準備を一生懸命やるわけですが(笑)自分たちのサービスをアピールする場は、意外と少ないものなので、自法人の強みや取り組みを振り返り、整理をする良いきっかけにもなっています。

 

Q.介護事業者は、スタコンをどのように活用したらよいでしょうか

 

運営施設がまだ1箇所だった頃と比較すると、複数展開するいまでは、自分の想いや熱量が伝わりづらくなったと感じています。スタコンさんには、私たち経営陣と現場の間に入り、私の思っていることを噛み砕いて浸透させる“橋渡し役”を担ってほしいと思っています。また、経営者は「裸の王様」になってはいけないと常日頃思っています。客観的な視点を持つスタコンさんと定期的に情報共有することによって、自分の考えを“メンテナンス(微調整)”できると思います。